本日はリヒテンシュタイン公のワイナリーに併設されているレストラン Torkelへ。
こちらのワインは輸出をしていないので、ここでないと買えないとか。
一杯目はすぐ目の前の畑で育てているシャルドネの薄く透き通ったワイン Vaduzer Chardonnay 2016 12CHF
最初は刺すような味でいまひとつかなと思ったけれど時間が経つごとにまろやかになって最終的には深みのあるこっくりとした、それでいてジュースのような飲みやすい味わいに。
和食のエッセンスを随所に感じるお食事にあう納得のワインでした。
お食事はアラカルトもあったけれど、どの料理もおいしそうだったのでDegustations Menü(128CHF)をいただくことに。
Menüというのはドイツ語ではコース料理のことを指すので、“飲食店でメニューをくれと言ったら次々と料理が出てきてしまった“などという小話をドイツ語初学者はよく耳にする。
可愛らしい卵の殻のなかには軽くてふわふわのじゃがいものピュレームース、そして牛肉がごろごろと入っている洋食らしい前菜。
パンを食べる気はそんなになかったのに、シュペックが入っていて美味しくてパクパク食べてしまった。
メニューには乗っていないと紹介された本日の一品、サーモンタルタル 29CHF
こちらはどうしても食べたかったので追加注文。
生臭くもなくとても美味しい。
薄緑に散らされたムースはなんとわさび。
VITELLO TONNATO
Kalbsbraten, Sakutuna, Meerrettichmousse, Thunfischsauce
こちらはまぐろにホースラディッシュのムース
POMMERYSENFSUPPE
Rauchforelle
ポメリーマスタードのスープ
目の前で注ぎ入れてくれる。マスタードだけれど優しい味。
2杯目もすぐそこの畑で育てているピノ・ノワールのワイン Vaduzer Pinot Noir,Bocker 2015 11CHF
わたしは美味しいワインのことを野菜の香りがすると形容するのだけれど、このワインはまさにその野菜の香りがした。コルクのような香りも感じる。
そしてその手のワインは基本的にどっしりと重厚なのに、こちらのワインはなんとも軽やか。
刺々しくはあるものの、赤ワインには珍しくさわやかとでも言うべきか。
GLACIER 51(Schwarzer Meerhecht)
Gebraten „Krautwickel“, Linsen, Lauch
Hechtはカワカマスという魚らしいけれど、Meer(海の)と着いているのでまた違う魚なのだろうか…メニューでは焼いたロールキャベツという表現をしているが、熱いお皿に盛られた小さなロールキャベツはひんやりしている。
レンズ豆はくたくたでまるであずきのよう。
REHRÜCKEN
Temperiert, Entenlebereis, Allerlei Sellerie, Mandarine
もう1つのコースも美味しそうで悩んだのだけれど、そちらは魚ばかりのコースでこちらはこの鹿肉があったので、なんやかんや肉食のわたしはこちらにしました。
脂身ではないのに適度な弾力がある鹿肉は臭みが全くなくてとてもおいしかった。
ZITRONE, AMARETTI & BLUTORANGE
Creme, Crunch, Sorbet
そしてレモンとブラッドオレンジというざっくりとした説明のデザートがとてもおいしかった。
レモンのソルベはもっちりとした不思議な食感。
サクサクのチョコレートクランチに大好きなラズベリーまで添えられていて秀逸。
お紅茶と一緒に出された茶菓子もバターが効いていておいしかった。
そして珍しくデザートの追加注文、本日のデザート johannesbeereのタルト。
デザートを食べていると外からカウベルのようなのどかな音が。
耳をすませるとなにやら鳴き声も聞こえて、よく見たら葡萄畑に羊がわらわらと群れていた。
夕方には見かけなかったのでびっくり。
席が角の席でちょうどライトアップされたファドゥーツ城が正面に見え、隣は葡萄畑というなんともリヒテンシュタインを堪能できる良いディナーでした。
どれもおいしかったので翌日のランチも予約。とても満足したことを伝えるとシェフが忙しそうななか出てきてくれて、わたしが女性であることに驚いていた。今日もよく食べました。
🍴RESTAURANT TORKEL
Hintergass 9 // LI-9490 Vaduz
+423 232 44 10
火-金 11.30 – 13.30 18.30 – 21.00
土 18.30 – 21.00
日月定休(イベントごとの際は対応可能)